風と木が火のごはんなんだね。

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こどもの年齢

4~6才

こえを聴いた人・場所

プレーワーカー(プレーパーク・東京都)

こえが発された状況

冬の寒ーい日。仲間たちと遊びに来ていた彼は、たき火の前で並んでお弁当を食べていた。
食べ終わると、1人、また1人とたき火から離れた小屋へかけて行って遊びだした。一緒に来た他の仲間たちは全員一緒になってわーわーきゃーきゃー遊んでいる中、お弁当を食べ終えてからも彼はたった一人でたき火の前に座り続ける。
見てみると、黙々と火の中に木を入れたり、うちわで扇いだりを繰り返していた。数時間後、そんな彼の隣にふとかがんでみた時に言ったひとこと。

この“こえ”が印象に残った理由

彼の言葉を聞いた時、同時に思い出した光景があった。
同じように仲間と来ていたこどものことだ。じっくりと土にむかって遊び込み始めたこどもに「ほら、あっちに行こう。みんなあっちで遊んでいるよ」と声をかけていた大人たちと、連れていかれたこども。一人だとさみしかろう、みんなと一緒にいた方が楽しかろうと、こどものためを思っていたりするかもしれないし、そんな風に言いつつ、実はさみしかったり不安なのは大人の方だったりすることも多いのではないかと思う。
この日、当然、親も大人もいた。けれど、仲間とは集わずにたった一人で数時間火に向かい続けた彼に、言葉をかける大人はいなかった。
ただ火に木を入れてうちわで扇いでいるだけといえばそれだけだ。けれどそれだけのその先に、こんなにも大きな彼の実体験がある。例えば自分が良かれと思ってかけた言葉の先に、行動の先に、こどもにとって本当に大切なものを奪ってしまうことがあることを知っていたいと、心から思った。

※“こえ”を発した子と写真の子に関連はありません。

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