18才になっちゃうんだよ、俺。

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こどもの年齢

高校生年齢

こえを聴いた人・場所

プレーワーカー(プレーパーク・埼玉県)

こえが発された状況

私がプレーパークに常駐し始めた頃によく遊びに来ていた彼。
当時、発達的なコミュニケーションの問題も抱え、生育環境もよいとはいえず、学校にも居場所を見つけられず、不登校のまま13才になっていた。たくさんぶつかり、信頼関係も紡げたようでまた切れて…最終的には、彼が施設に入ることで関係が途切れてしまっていた。
それから5年の月日が経ち、そんな彼が最近地元に帰ってきていることを聞いていた。私も母になり、こどもを連れて久々に彼の住む近くの出張プレーパークに訪れることに。偶然が重なり再会した彼は、大人な風貌になっていて、表情も穏やかで、昔話ができるくらい私との会話を楽しんでくれているようだった。
散歩がてら場所を移動しながら話していると、ふと「18になっちゃうんだよ、俺。」と悲しそうにつぶやいた。
悲しいことなのか聞いてみると、特別支援高校1年生をやり直している彼にとって、厳しくなくただ遊んでいられる場所が児童館であること。そんな児童館は18才になったと同時に出入り禁止になってしまうこと。職員からも特別待遇はないことを告げられていることを教えてくれた。

この“こえ”が印象に残った理由

彼の今までと、心は許せていないけれどそれでも拠り所にしている場所が今なくなってしまいそうなことを聞いて、私が泣いてしまいそうだった。
遠くに住んでいる私が彼のためにできることはあまりにも少なくて、ただただ彼の話したいままに今楽しいこと、困っていることを聞き続ける時間だった。
その人がいつまでこどもでいられるか、本当に決めなきゃいけないんだろうか。
彼がどこでどうやって、どんなスピードで生きていきたいか、選べる世の中じゃなかったことに、そんな世界をつくっている大人の1人である自分に悔しさが込み上げてきた瞬間だった。

※“こえ”を発した子と写真の子に関連はありません。

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